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家づくり用語ガイド 間取り図の略語一覧

家づくり用語ガイド 間取り図の略語一覧

家づくりの打ち合わせで使う図面には、「LDK」「WIC」などのアルファベットがたくさん出てきます。それぞれ意味を持つ略語で、住宅会社によって独自の表記を行っている場合もあるものの、基本的には統一表記を用いています。

今回は、図面に表記されている主なアルファベット略語の意味をわかりやすく解説します。

K

「K」はキッチン(Kitchen)の略です。料理をするためのスペースを指し、単独で表記されることもあります。注文住宅の場合、独立キッチンの間取りだとこの表記が使われます。

DK

「DK」はダイニング・キッチン(Dining Kitchen)の略です。食事をする空間であるダイニングとキッチンが一体化した空間を表します。マンションやアパートに多い表記で、最近の注文住宅ではあまり見かけない間取りかもしれません。

LDK

「LDK」はリビング・ダイニング・キッチン(Living Dining Kitchen)の略で、家族が集う家の中心的空間を指します。不動産広告などでよく見られる「数字+LDK」という表記は、個室の数とLDKがある間取りを意味します。たとえば5LDKであれば5つの個室とLDKがある間取りです。

R

「R」は冷蔵庫(Refrigerator)を置く場所を意味する略語です。キッチンの中に描かれた点線の四角形の中に表記されます。キッチンのレイアウトや動線を考えるうえで冷蔵庫の位置は重要なため、キッチンプランを計画する際にチェックしておきましょう。

BR、MBR

「BR」はベッドルーム(Bedroom)の略で、寝室を指します。頭にMがつく「MBR」の場合は、マスターベッドルーム(Main Bedroom)、つまり主寝室という意味です。夫婦の寝室として、個室の中ではもっとも広く設計されることが多いです。

SR、S、N

「SR」はサービスルーム(Service Room)、いわゆる納戸を意味します。単に「S」と表記したり、日本語をそのまま生かして「N」とする場合もあります。建築基準法の採光や換気の条件を満たさないため「部屋」として扱われないスペースです。

UB、VB

「UB」はユニットバス(Unit Bath)の略です。本来は浴槽と洗面ボウル、トイレが一体となった設備のことを指す言葉ですが、注文住宅においては浴室を意味する表記として使われます。景観を重視して大きな窓を設置した浴室の場合は「VB」(ビューバス)と表記する住宅会社もあります。

DR、PR、W

「DR」はドレッシングルーム(Dressing Room)の略で、洗面脱衣室を指します。脱衣スペースがある洗面室のことで、洗面室のみの場合は「PR」(パウダールーム)と呼びます。四角形の中に表記されている「W」は、洗濯機(Washing machine)を指す略語です。

BL

「BL」はバルコニー(Balcony)の略です。屋外に面し、洗濯物を干したり植物を置いたりできる場所を指します。建物内に組み込まれた形のインナーバルコニーも同じく「BL」と表記されることが多いです。

SK

「SK」はスロップシンク(Slop Sink)の略で、某住宅設備機器メーカーの品番から取られた略語とも言われています。掃除や靴洗いなどに使われる深型のシンクで、バルコニーに設置されることが多い設備です。

RF

「RF」はルーフフロア(Roof Floor)の略で、小屋裏スペースや屋上階を指す場合などに使われます。(住宅会社によって意味が異なります)「LOFT」と分かりやすく表記されることもあります。

WIC、WTC、CL

いずれも大型収納スペースを指す略語で、「WIC」はウォークインクローゼット(Walk-in Closet)、「WTC」はウォークスルークローゼット(Walk-through Closet)、「CL」はクローゼット(Closet)という意味です。収納の形状や通路の有無によって使い分けられます。

SIC、SCL、SB

「SIC」はシューズインクローゼット(Shoes-in Closet)、「SCL」はシューズクローゼット(Shoes Closet)の略として使われます。SICは通路があり、SCLは通路がないスペースと捉えると分かりやすいでしょう。靴や傘、ベビーカー、アウトドア用品などを収納する玄関横の収納スペースを指します。「SB」はシューズボックス(Shoes Box)、玄関収納を指す略語です。SICやSCLのように間取りに組み込むのではなく、壁に沿って設置する玄関用の既製家具を意味します。

WC

「WC」はウォータークローゼット(Water Closet)の略で、トイレを意味します。商業施設などで表記されているためご存じの方も多いのではないでしょうか。

DN、UP

「DN」はダウン(Down)、「UP」はアップ(Up)の略です。階段の上り下りを示す記号で、図面では矢印の始点に表記されます。

Void

「Void(ボイド)」は「空白」という意味を持つ単語で、図面では吹き抜け空間を意味します。上下階がつながった空間を示す対角線が引かれたスペースの中に表記されます。

Ent

「Ent」はエントランス(Entrance)の略で、玄関を指します。主に玄関ドアから上がり框までのいわゆる三和土部分を意味する略語です。

AC

「AC」はエアコン(Air Conditioner)の略です。壁付け型は壁面に沿って、天井に埋め込む天井カセット型は天井面を想定した空間内にいずれも点線で設置位置が描かれるため、その近くに略語が表記されます。

MB

「MB」はメーターボックス(Meter Box)の略で、水道や電気のメーターがまとめられた設備を指します。廊下や収納スペースなどに設置されるため、これらの空間内に表記されています。

HEV

「EV」はエレベーター(Elevator)の略語です。マンションや高層住宅ではこの表記ですが、注文住宅の場合は住宅用であることを示すためにHomeを付け足した「HEV」と表記されます。

FIX

「FIX」は開閉できない固定窓(Fixed Window)の略です。基本的に窓には略語表記がありませんが、上げ下げ窓と同じ記号のため、開閉できないことを明示するために表記する場合があります。

まとめ

家づくりの打ち合わせでは図面を多用しますので、略語を知っておくとよりスムーズに話を進めやすいでしょう。
厳密なルールがあるわけではなく、冒頭でもお伝えしたように住宅会社によって表記が異なることもあるため、不明な略語がある場合は設計士や営業担当者に確認しておきましょう。

この記事を書いた人

河野 由美子
河野 由美子 二級建築士・インテリアコーディネーター・防災備蓄収納1級プランナー
住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手ハウスメーカーでの勤務を経て独立。 日常の中に非日常を感じられる空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗などの設計およびインテリアコーディネートに携わっています。 建築インテリア関連記事の企画執筆や監修業務、研修講師、建築関連資格対策テキスト監修、工務店施工事例集ディレクションなどの実績も多数。

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河野 由美子
河野 由美子 二級建築士・インテリアコーディネーター・防災備蓄収納1級プランナー
住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手ハウスメーカーでの勤務を経て独立。 日常の中に非日常を感じられる空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗などの設計およびインテリアコーディネートに携わっています。 建築インテリア関連記事の企画執筆や監修業務、研修講師、建築関連資格対策テキスト監修、工務店施工事例集ディレクションなどの実績も多数。