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新築に雨戸シャッターは必要?設置のメリット・デメリットを徹底比較

新築に雨戸シャッターは必要?設置のメリット・デメリットを徹底比較

新築を計画するとき、「雨戸シャッターは必要か」と悩む方は少なくありません。防犯や台風対策、断熱や遮音といった役割がある一方で、費用や使い勝手に不安を持つ方もいます。

この記事では、雨戸シャッターをつけるメリットとデメリットを分かりやすく整理し、設置するかどうか判断するためのヒントを解説します。地域の環境や暮らし方に合わせて、選ぶ際の参考にしてください。

新築に雨戸シャッターを設置する3つのメリット

雨戸シャッターは、防犯・災害対策・室内環境の改善など多面的に役立ちます。ここでは、新築に雨戸シャッターを設置する3つのメリットを解説します。

防犯性を高められる

雨戸シャッターは、防犯性を高める有効な設備です。警察庁の統計によると、令和6年の一戸建て住宅侵入窃盗の侵入手口は以下のとおりです。

無締り 47.6%
ガラス破り 35.7%
その他 16.7%

出典:警察庁|手口で見る侵入犯罪の脅威

上記データのように、侵入被害の多くは窓から発生(ドアや窓の鍵がかかっていない無締り状態を除く)しています。そのため、雨戸シャッターを閉めることでガラスを破るのに時間がかかり、犯行を諦めさせる抑止効果が期待できます。

特に人目につきにくい「掃き出し窓」や「家の裏側の窓」は狙われやすいため、設置による安心感は大きくなります。さらに、防犯ガラスやセンサーライトと併用すれば効果は一層高まり、家族が安心して暮らせる住環境づくりに直結するでしょう。

台風や強風から住まいを守れる

台風や強風時には、飛来物でガラスが割れると大きな被害につながります。破片が室内に飛び散るだけでなく、雨風が流れ込んで家財を濡らし、建物の傷みを早める恐れもあります。

雨戸シャッターを閉めていれば、植木鉢・看板・屋根材などがぶつかっても窓を守れて安心です。実際に台風被害の多い地域では、設置した住宅で被害が抑えられた例も数多くあります。

近年は耐風圧性能(サッシ・ドアなどがどれくらいの風圧に耐えられるかを示す性能のこと)を高めた製品も登場しており、強風で外れにくい仕様を選べる点も安心です。災害リスクの高い地域では、命と財産を守る有効な備えとなります。

遮熱・断熱・遮音に役立つ

雨戸シャッターは外気の影響を抑え、年間を通じて快適な室内環境を保つのに役立ちます。その結果、省エネ効果も期待できます。

  • 夏:直射日光を遮り、室温の上昇を防いで冷房効率を高める
  • 冬:窓からの熱の流出を抑え、暖房効果を維持する

また、交通量の多い道路沿いや鉄道の近く、工事現場に隣接する住宅では「騒音」をやわらげる遮音効果も大きなメリットです。近年は複層ガラスや断熱材と組み合わせることで、遮熱・断熱・遮音性能をさらに高めることも可能です。

冷暖房費の削減と、快適性の向上を同時に実現できる点が魅力といえます。

新築に雨戸シャッターを設置しない3つのデメリット

新築時に雨戸シャッターを設置しないと、災害や防犯面での不安、さらには将来的な費用負担が増える恐れがあります。ここでは、設置しない場合に生じやすい3つのデメリットを具体的に解説します。

防犯面で侵入被害のリスクが上がる

窓は侵入経路として最も多く利用されるため、雨戸シャッターがないと短時間で破られ、被害につながる危険が高まります。

特に裏手や人目につかない場所の窓は狙われやすく、格子や防犯ガラスだけでは十分でない場合もあります。そのため、防犯性を重視する家庭にとって、シャッターを設置しないことは大きなリスク要因となります。

台風や強風でガラスが破損するリスクが高まる

雨戸シャッターを設置していないと、台風や強風時に窓ガラスが破損するリスクが高まります。

飛来物が直撃すれば破片が室内に飛び散るだけでなく、雨風が吹き込むことで床や壁の劣化を早め、修繕費が高額になることも少なくありません。強風で窓がきしむ音や割れる不安を抱えながら過ごす心理的負担も大きなデメリットです。

災害リスクが高い地域で雨戸シャッターを設置しないことは、安全面・経済面・精神面すべてにおいて大きな不利益を招く恐れがあります。

後から設置すると費用や工事の負担が大きい

新築時に雨戸シャッターを設置しなかった場合でも後付けは可能ですが、その分負担が大きくなります。外壁やサッシの一部を加工する必要があり、工事費用は想定以上に膨らむケースが少なくありません。

さらに電動式を希望すれば、配線工事も必要となり、費用が数十万円に達することもあります。また、外壁の仕上げ材によっては設置できる位置が限られたり、見た目に違和感が出たりするでしょう。

新築時なら建物工事と同時に施工でき、コストを抑えられるうえ仕上がりも自然です。結果として、後から設置する選択は経済面・デザイン面の両方で大きなデメリットになります。

新築で雨戸シャッターをつける際の注意点

雨戸シャッターは防犯や災害対策に役立ちますが、選び方を誤ると使いにくさや思わぬ費用負担につながることがあります。新築時に設置する際は、機能やメンテナンス性などを事前に確認しておくことが大切です。

ここでは、後悔を避けるために知っておきたい注意点を解説します。

手動か電動かを事前に選ぶ

雨戸シャッターには手動式と電動式があり、暮らし方に合わせた選択が欠かせません。

  • 手動式
    導入費用を抑えられる一方、毎日の開閉が負担になりやすく、操作で手が汚れるといった不便さもあります。
  • 電動式
    ボタン操作で快適に使えますが、初期費用や将来の修理費が高くなる傾向に加え、長期間動かさないと故障しやすい点に注意が必要です。

新築時なら配線工事を同時に行えるため、後から設置するより効率的です。長期的な利便性と費用のバランスを考えて選ぶようにしましょう。

メンテナンスや修理のしやすさを確認する

雨戸シャッターは屋外に設置されるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

可動部の油切れやモーターの不具合は、開閉不良や動作停止の原因になります。特に電動式は部品代や修理費が高額になることも多いため注意が必要です。購入時にはメーカー保証の内容や部品供給が継続されているかを確認しておくと安心です。

こうした準備をしておけば、長期的に安定して使用できる環境を整えられます。

まとめ

新築に雨戸シャッターを設置するかどうかに明確な正解はありません。防犯や災害対策、快適性を高められる一方で、費用やメンテナンスの負担といったデメリットもあります。

台風の多い地域や防犯リスクの高い場所では有効ですが、生活スタイルによっては不要と感じる家庭もあります。

雨戸シャッターを設置するかどうか迷う場合は住宅展示場で実物を確認し、使い勝手やコストを比較して、自分に合った選択をしましょう。

この記事を書いた人

岩井 佑樹
岩井 佑樹 宅地建物取引士・シニアライフ相談士
飲料メーカーを経て2014年に宅建士として不動産会社に転職。2019年に不動産ライター業を始める。2024年3月現在、不動産会社のコラムや不動産関連記事を400記事以上作成。現在は不動産会社とWebライター業の会社を経営。現役不動産屋ならではの経験から、不動産に関する「リアル」な記事を発信している。

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岩井 佑樹
岩井 佑樹 宅地建物取引士・シニアライフ相談士
飲料メーカーを経て2014年に宅建士として不動産会社に転職。2019年に不動産ライター業を始める。2024年3月現在、不動産会社のコラムや不動産関連記事を400記事以上作成。現在は不動産会社とWebライター業の会社を経営。現役不動産屋ならではの経験から、不動産に関する「リアル」な記事を発信している。