夏が長くなったり冬でも暖かかったりと、近年の日本の気候は昔ほどはっきりとした四季が感じられないことが増えてきました。だからこそ、新しい家で自然や四季の移ろいを感じられる暮らしを大切にしたいですよね。そんな暮らしを手軽に叶えられる方法のひとつが、花を身近に飾って楽しむことです。
今回は、家族で花のある暮らしを楽しむメリットや花のある暮らしを実現できる家づくりのアイデア、季節ごとのおすすめの花などについて紹介します。
花のある暮らしを送るメリット
花は空間に彩りを添えるだけでなく、視覚や嗅覚などを刺激して心身に良い影響を与えてくれます。暮らしの質を高める存在として愛される花が身近にある、そんな暮らしを送るメリットについて見ていきましょう。
リフレッシュできる
花を眺めているだけで、気持ちが明るくなったり深呼吸したくなるような癒しを感じることは多いものです。実際に花を見ることは幸福感を高めるとも言われており、忙しい毎日の中でふと視線の先に花があれば、癒されリフレッシュできるでしょう。
集中力が高まる
色とりどりで華やかな花は、家の中で小さな自然を感じさせる存在です。花の存在によってリラックスできる時間を過ごせると、気持ちを切り替えて勉強や家事などに集中できる可能性が高くなります。リラックスしながら集中しやすい環境を整えることができると考えられています。
季節をより深く楽しめる
春は桜、秋はコスモスといったように、季節ごとに咲く花は異なります。旬の花を室内に飾ることで自然の移ろいを日常的に感じることができるでしょう。親子で季節のイベントを楽しむ時も、花がささやかな彩りを加えてくれる楽しさを味わえます。
家族や来客とのコミュニケーションが増える
花が室内にあると、話題のきっかけになりやすく、家族や来客との会話が自然と弾みます。玄関やリビングに飾った花は、訪れた来客に温かく華やかな印象を与えるはずです。
花のある暮らしを実現させるための家づくりのアイデア
注文住宅を計画する段階で、花のある暮らしを念頭に置いて設計を考えていくと入居後の満足度も高まります。花のある暮らしを実現するための家づくりのアイデアをご紹介しますので、参考にしてみてください。
中庭を設ける
中庭は基本的に家の中心に設けるため、外部からの視線を気にする必要がありません。採光や通風も確保できる上に、親子でゆっくり花の水やりなどを楽しめます。開放感にあふれた間取りにすれば、室内からいつでも四季折々の花を眺めて楽しめる環境が整うでしょう。
ウッドデッキを設ける
室内から床続きで出られるウッドデッキは、花を寄せ植えした鉢を並べたり吊るしたりして飾るスペースとして活用できます。ウッドデッキを構成する木との相性も良く、風に吹かれながらのんびりと花を眺める時間を過ごすのに最適です。
インナーバルコニーを設ける
インナーバルコニーとは、建物の中に入り込んだ状態のバルコニーを指します。通常のバルコニーよりも広く、屋根があるため雨の日でも花を育てたり飾ったりしやすい場所です。スロップシンクを設置しておけば、花の水やりや手入れで使った道具の洗浄も楽にできます。
門まわりに花壇をつくる
門柱の前や横に小さな花壇をつくり、お気に入りの花や季節の花を植えると、毎日家に帰ってくるたびに花が見えて疲れが癒されるでしょう。門まわりの印象が華やかになるだけでなく、手入れが行き届いていれば空き巣に入るのを躊躇させる効果も得られるかもしれません。
室内にニッチや飾り棚をつくる
ニッチとは、壁をくぼませた飾り棚のことです。玄関や階段の途中、リビングなどの壁面にニッチや飾り棚を設けておくと、花瓶に花を挿して飾れます。背面にお気に入りの絵や写真を、手前に花を飾ってフォーカルポイント(人の視線を集め空間にメリハリを与えるポイント)を演出するのもおしゃれですね。
出窓を設ける
奥行きがある出窓は、自然光を取り入れやすいため飾った花がより華やかに見える効果があります。出窓に吊るした繊細なレースの手前に季節の花を飾れば、室内をより華やかに明るく見せてくれるでしょう。
室内に飾りやすい季節別おすすめの花
暮らしに季節感を添えるには、その季節ならではの花を飾るのが効果的です。切り花として飾りやすく、手に入りやすい花を季節別にご紹介します。
春のおすすめの花
春は柔らかく優しい色合いの花を選ぶと、冬の厳しさが緩んできた春ならではの開放感を演出しやすいです。繊細なウエーブが魅力的で香りも楽しめるスイートピーや、鮮やかな色合いが華やかなパンジーなどがおすすめです。和洋どちらのインテリアにも合わせやすい桜は、枝ごと大ぶりの鉢に挿して玄関などに飾ると存在感が出ます。
夏のおすすめの花
夏らしい、元気な印象の花を選ぶと室内も明るくなります。夏の代名詞ともいえるひまわりは、短く切って背の低い花瓶に挿したり、あえて茎を残し背の高い花瓶に挿してひまわり畑のような雰囲気を出すなどアレンジしてみましょう。ふんわりとした質感が涼しさを感じさせるスモークツリーも人気です。アサガオは、中庭やウッドデッキで支柱を立てて育てると日よけになり、子どもの夏の自然観察としても活用できます。
秋のおすすめの花
気温が下がって涼しくなってくる秋は、落ち着いた色合いの花がぴったりです。晩夏の熱さを視覚的に和らげる涼しげな青や紫が印象的なリンドウや、可憐な雰囲気が魅力のコスモスなどがおすすめです。ガーベラは通年で出回っていますが、秋の花として知られており、テラコッタやワインレッドといった秋らしい落ち着いた色を選ぶとより季節感が出せるでしょう。
冬のおすすめの花
他の季節よりも花が少ない冬ですが、だからこそ鮮やかな色合いの花がよく映えます。シンビジウムのような蘭系の花は華やかさがあり、寒さにも強いため長持ちします。凛とした印象が冬の雰囲気にぴったりなスイセンや、小さいながらも清楚で上品な雰囲気を楽しめるフリージアもおすすめです。
まとめ
花のある暮らしは、室内に明るさを加えるだけでなく、住む人の心にも豊かさをもたらしてくれます。花が好きな方はもちろん、子どもに花を身近に感じてほしいという方や親子で花を育てたいという方は、花のある暮らしを実現できる空間づくりを意識して注文住宅の計画を進めましょう。ご紹介したアイデアを取り入れて、花がいつもそばにある生活を楽しんでみてください。