注文住宅を建てる際、意外に見落としがちなのが自転車置き場の確保です。自転車やバイクは日常的に使う便利な乗り物だからこそ、家の外まわりの空いたスペースに置くのではなく、専用の置き場をつくることで快適さが変わります。
今回は、自転車置き場のメリットや使いやすい広さ、おすすめの設置場所についてご紹介します。自転車置き場の検討時にぜひご参考ください。
自転車置き場のメリット
日常生活で自転車やバイクを使っているなら、自転車置き場はあると便利なスペースです。自転車置き場を設置するメリットについて見ていきましょう。
雨や風・紫外線による劣化がしにくい
ほとんどの場合、自転車置き場は屋根のある場所に設置するか専用の屋根をつけます。屋根がないところへ置くよりも、雨や風、紫外線にさらされることが少ないため、車体が劣化しにくくなります。特に自転車のチェーンはサビやすい部分ですから、雨ざらしにしないことで長持ちさせることができるでしょう。
雨に濡れずに出し入れができる
屋根付きの自転車置き場があれば、雨の日でも濡れずに自転車やバイクを出し入れできます。合羽を着脱したり、子どもをチャイルドシートに乗せたりする場合も雨に濡れないため、ストレスがたまりません。
自転車やバイク専用の場所として見映えが整う
自転車置き場を確保すると、自転車やバイク専用のスペースとして敷地内を区切るため、道路から見た時にすっきりとした印象を与えます。玄関前や庭先に無造作に置くよりも外観の見映えが整い、住まい全体の印象がアップするでしょう。
盗難を防げる
道路から見えないようフェンスやルーバーをつけた場合や、屋外に自転車置き場を設けた場合は、自転車やバイクの盗難リスクを減らせます。特に高価なバイクやデザイン性の高いロードバイクを所有しているなら、レイアウトや位置を工夫することで大きな安心感を得られるはずです。
使いやすい自転車置き場の広さとは?
使いやすい自転車置き場をつくるなら、置く台数や種類に合わせて必要な広さを確保することが重要です。出し入れの際に人が動くスペースも加味して、やや余裕のある広さにするとよいでしょう。
自転車の場合
一般的なサイズの自転車の場合、1台あたり幅60cm・奥行き190cmのスペースが必要です。複数置く場合は、それぞれの自転車の出し入れのしやすさも考慮して2台なら幅1.5m、3台なら2.1m程度と少し余裕を持たせて設計すると使いやすくなります。
原付バイクの場合
自転車よりもひとまわり大きい原付バイクの場合は、1台あたり幅80cm・奥行き200cm程度で計算しましょう。2台置くなら1.8~2m程度の幅にすると出し入れがスムーズです。
400cc以上の大型バイクの場合
中型〜大型バイクの場合はさらに広さが必要です。1台で幅100cm・奥行き230cm程度を見ておくと、ゆとりをもって出し入れができます。複数台保管するなら、整備やメンテナンスのスペースも考慮して設計することが重要です。
自転車置き場の設置に適した場所:屋外
出し入れしやすく、タイヤについた汚れを気にせず使いたいなら、自転車置き場を屋外に設置するのがおすすめです。前面道路から玄関への動線や距離を踏まえて、使いやすい場所に確保するとよいでしょう。自転車置き場を屋外に設置する場合のおすすめの場所を紹介します。
駐車場の横
駐車スペースの隣に設置すれば、乗り物を置く場所として敷地のレイアウトが整理しやすいです。車と並べて停めることで見た目が整いやすいため、外から家を見た時にまとまりのある外構デザインという印象を与えられるでしょう。
勝手口の横
キッチンから出入りできる勝手口の横に設置すれば、ちょっとした買い物やゴミ出しなどに行く場合にコンパクトな動線になります。勝手口は前面道路から見えない位置に配置することが多いため、生活感を見せたくないという場合にもおすすめです。
アプローチの脇
玄関までのアプローチに沿った位置に設けると、通勤・通学時の動線がスムーズです。アプローチとの間に植栽を配置して、自然な形で区切ると外構デザインとしてもおしゃれに仕上がります。
バルコニーの下
2階のバルコニー下のスペースを自転車置き場にすると、バルコニーが屋根代わりになるため、屋根を別途設けなくても自転車やバイクを濡らさずに保管できます。敷地内に自転車置き場をつくるスペースが確保しにくい場合は、バルコニーの下を上手に活用しましょう。
自転車置き場の設置に適した場所:屋内
自転車をより安全に保管したい場合や、高価な車種がある場合は屋内設置も選択肢に入れてみませんか。注文住宅なら、設計段階で検討できるため比較的採用しやすいでしょう。自転車置き場を屋内に設置する場合のおすすめの場所を紹介します。
玄関土間
自転車1~2台の置き場なら、玄関土間を広めにすることでスペースを確保できます。土間なので、タイヤが汚れていたり雨で濡れたりしていてもそのまま入れられて便利です。
シューズインクローゼット
大型のシューズインクローゼットがある場合、自転車1台程度なら収納できるでしょう。メンテナンスが必要なロードバイクなどは、メンテナンス用品と一緒にシューズインクローゼットに収納することで作業もしやすくなり、実用的です。
ガレージ
ビルトインガレージがある場合、自転車やバイクの保管には最適です。シャッターを閉めれば防犯性が高まる上に、雨や風で汚れることもありません。
まとめ
自転車置き場は、新築した家の暮らしやすさを考える上で見逃せない要素です。愛用している自転車やバイクの劣化を防ぎつつ、専用スペースに並べることで家の外観を美しく整える効果も期待できます。毎日の外出が快適にできるよう、家族のライフスタイルや敷地条件に合った場所と広さの自転車置き場を計画してみてはいかがでしょうか。