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室内の印象を左右するフローリングの張り方5パターン

室内の印象を左右するフローリングの張り方5パターン

部屋の中でも大きな面積を占める床は、部屋全体の印象を決める重要な部分です。フローリング材は人気が高い床材のひとつですが、実はさまざまな張り方があり、同じフローリング材でも大きく雰囲気が変わります。

フローリングの張り方としておすすめのパターンをご紹介するとともに、張り方を決める際のチェックポイントやより魅力的なフローリングに見せるコツを解説します。

フローリングの張り方を決める際のチェックポイント

フローリング材の張り方には、定番の張り方から個性的な張り方まで幅広いバリエーションがあります。ただし、ネットや雑誌などで見た施工事例をそのまま取り入れると、希望とはかけ離れた仕上がりになる可能性がある点に注意しましょう。

フローリング材の張り方を決める際にぜひチェックしておきたいポイントをご紹介します。

フローリング材の幅

フローリング材の幅は75~90㎜が一般的ですが、最近は「幅広」と呼ばれる幅が広いタイプも人気です。木の部分が増えて目地が少なくなるため、木目をより印象づけることができます。
一般的な幅のタイプと幅広タイプとでは、同じ張り方をしてもかなり印象が変わることを念頭に置いて選びましょう。

フローリング材を張る方向

フローリング材を張る方向も、部屋に広がりや奥行きを感じさせるポイントとして検討が必要です。フローリング材の長辺を部屋の長手方向と平行に張っていくのが基本の張り方ですが、バリアフリー対応で部屋と廊下の床面に段差がない場合などは、つながりの関係から短手方向と平行に張るパターンもあります。

また、壁面と平行ではなく45度角、つまり斜め方向に張るパターンだと、かなり個性的な印象に仕上がります。ただし好みが分かれるため、事前によく設計担当者と相談して仕上がりイメージを把握しておきましょう。

施工コスト

フローリング材の張り方は、施工コストに影響します。難易度が高い張り方だと加工の手間が増えますし、必要とする材料の数を多めに見積もる必要がある張り方もあるためです。

フローリング材を加工して、方向も工夫しながら張る場合は施工コストが高くなりやすいと考えておきましょう。来客が入るリビングだけはデザイン性を重視し、それ以外の居室は一般的な張り方にして施工コストを抑えるなどの工夫もおすすめです。

部屋の形状

部屋の形状によっても適した張り方は異なります。例えば、変形した部屋の場合、一般的な張り方だと半端なフローリング材が出て目立つことがあるため、注意が必要です。狭い部屋に1つのデザインパターンが大きい張り方を採用すると、中途半端なところでデザインが切れて気になってしまうということもあり得ます。

家具で隠せたとしても、今後家具の配置を変える模様替えがしにくくなってしまいますね。事前に割付図(フローリング材の配置を指示する図面)を設計担当者に出してもらい、違和感がないか確認することが大切です。

定番派?個性派?フローリング材の張り方5パターン

フローリング材そのものはサイズが決まっていますが、張り方によって印象を変えられます。定番の張り方から個性的な張り方まで、5つのパターンをご紹介します。

定尺張り

同じ長さと幅のフローリング材を、同一方向に決まった間隔で並べていく張り方です。半分ずつずらす「れんが張り」や、ずらす寸法によって「1尺ずらし」「3尺ずらし」と呼ばれる張り方もあります。整然とした印象を与える上に、シンプルな張り方で施工の手間がかからない分施工コストを抑えやすいため、もっとも一般的な張り方と言えるでしょう。

乱尺張り

同じ幅で長さが異なるフローリング材を同一方向に並べる張り方です。目地がランダムに出るため、空間にリズムを与えます。木目の表情や色味の違いを楽しめることもあり、定尺張りでは物足りなさを感じる場合におすすめです。

斜め張り

壁に対して斜めにフローリング材を並べていく張り方です。例えば、廊下から部屋に入る動線に合わせた角度で斜めに張ると、視線も同じように動くためより広がりを感じさせる効果があります。張る角度に決まりはありませんが、45度に傾けて張るパターンが多いです。

ヘリンボーン張り

短いフローリング材をV字型に交差させながら並べていく張り方です。フローリング材の幅によって印象が変わります。
フローリング材の端を45度にカットして並べる「フレンチヘリンボーン張り」も、ヘリンボーン張りの一種です。通常フローリング材を1枚ずつ並べるところを、2枚ずつもしくは3枚ずつ並べて張っていくというアレンジは非常に個性的ですが、高い施工技術と通常より長い施工時間が必要なため、施工コストがかさみやすい点に注意しましょう。

市松張り

短いフローリング材を組み合わせた正方形を1単位として交互の方向に並べていく張り方です。幾何学的なデザインで、濃いめの色のフローリング材を選ぶとレトロな雰囲気を出せます。落ち着いた印象にまとめたい場合におすすめです。

フローリングがより魅力的に見えるコツ

フローリング材の張り方は、フローリング材を選ぶ時に一緒に検討すると、希望の印象に仕上がりやすいです。大切な新築住宅のフローリングをより魅力的に見せるために、2つのコツをご紹介します。

部屋全体のバランスが取れる張り方を選ぶ

部屋の広さや形状、仕上げたい雰囲気など全体のバランスが取れるフローリングの張り方かどうかを考えましょう。たとえば、コンパクトな広さのトイレ空間でヘリンボーン張りをしたいなら、幅広のフローリング材よりも細めの幅のフローリング材を選ぶとすっきり見えます。フローリング材だけに注目せず、部屋全体でバランスが取れているかを検討することが大切です。

張り方による効果を最大化させる(床面を多く見せる)

フローリング材の張り方によって、広さや奥行きなどを高める視覚的効果を得るためには、床面をできるだけ多く見せることが重要です。脚付きの家具を選ぶ、ラグは小さめのサイズにするといった工夫で、フローリングの視覚的効果を最大限に生かしましょう。

まとめ

フローリングの張り方は、注文住宅だからこそ自由に選べます。フローリング材を選ぶ際には、色や素材とあわせて張り方もイメージしながら選ぶとよいでしょう。

張り方の特長や印象の違いを把握して、理想的なインテリアに近づくフローリングの張り方にこだわってみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

河野 由美子
河野 由美子 二級建築士・インテリアコーディネーター・防災備蓄収納1級プランナー
住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手ハウスメーカーでの勤務を経て独立。 日常の中に非日常を感じられる空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗などの設計およびインテリアコーディネートに携わっています。 建築インテリア関連記事の企画執筆や監修業務、研修講師、建築関連資格対策テキスト監修、工務店施工事例集ディレクションなどの実績も多数。

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河野 由美子
河野 由美子 二級建築士・インテリアコーディネーター・防災備蓄収納1級プランナー
住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手ハウスメーカーでの勤務を経て独立。 日常の中に非日常を感じられる空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗などの設計およびインテリアコーディネートに携わっています。 建築インテリア関連記事の企画執筆や監修業務、研修講師、建築関連資格対策テキスト監修、工務店施工事例集ディレクションなどの実績も多数。