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アウトドアリビングで“おうち避暑”――デッキ×日射遮蔽×グリーン

アウトドアリビングで“おうち避暑”――デッキ×日射遮蔽×グリーン

気温がぐんと高くなり、空の色が一段と鮮やかに変わるころ、「今年の夏はどうやって涼もう」と考えます。せっかくの休日に遠出しても、強い日差しに体力を奪われ、帰宅後はぐったり。そんな経験を重ねるうちに、わざわざ渋滞や行列に挑まず、家で穏やかな“避暑”を楽しめる方法を探すようになりました。

その答えのひとつが、リビングと庭をゆるやかに一体化させる「アウトドアリビング」です。ウッドデッキに椅子を置き、日差しを外側でやさしく遮り、植物の木陰で空気をひんやり整えるだけで、自宅が小さなリゾートに変わります。

リビングの先に広がる“第二の居間”

アウトドアリビングは、大きな庭や華やかなテラスがなくても始められます。掃き出し窓の外にデッキを一枚張り、そこにお気に入りのデッキチェアとサイドテーブルを置くだけで、室内の続きにくつろぎのスペースが生まれます。朝一番にデッキでコーヒーを味わったり、風が心地よい夕方に家族で軽く食事をとったり、そんな光景を思い浮かべると、遠出しなくても十分非日常を味わえる気がしませんか。

実際に暮らしに取り入れてみると、窓を開け放つだけで部屋に風が入り、視界が外へと伸びるおかげで室内がひと回り広く感じられます。さらに、リビングと同じ高さでデッキを張れば段差がなくなり、子どもやペットが自由に行き来できる“もうひとつのリビング”が誕生します。

デッキ選びで大切にしたい“肌ざわり”

快適なアウトドアリビングを支えるのは、足裏や腰が直接触れるデッキの質感です。天然木の柔らかな踏み心地とほのかな木の香りは格別ですが、雨風にさらされる場所なので、定期的な塗装が欠かせません。

対して、木粉と樹脂を混ぜた人工木はお手入れがぐっと楽。さらに近ごろは遮熱顔料を練り込んだタイプが登場し、真夏でも表面温度の上昇を抑えられます。

実物をいくつか試してみると、素足で乗ったときの温度差が想像以上にはっきりわかります。見た目はほぼ木そのものなのに、手間を省ける人工木の便利さは忙しい日常と相性抜群です。もし天然木の質感も耐久性も欲しいなら、リビングに近い部分は天然木で、日差しを長く浴びる外周部は人工木といった“合わせ技”も有効。経年で変わる色味や質感のグラデーションが、むしろ味わい深く映ります。

さらに、防水コンセントや照明用の配線も最初から仕込んでおけば、夜のライトアップやポータブルファンの設置がぐんと楽になります。アウトドアリビングは昼よりも夕暮れから夜にかけてこそ雰囲気が増すもの。せっかくなら、ライティングまで視野に入れたデッキ計画をおすすめします。

日差しを“外で止める”という発想

デッキをしつらえても、容赦ない夏の直射光が降り注ぐようでは外に出る気になれません。そこで重要になるのが、ガラスの外側で日差しをキャッチする工夫です。軒を深く出す設計は昔ながらの知恵そのもの。夏の高い太陽光だけをカットし、冬の低い角度の光は室内に届けてくれます。

最近は軒を補うかたちで、外付けブラインドや可動式オーニングを組み合わせる住宅が増えました。羽根の角度やキャンバスの出幅を少し変えるだけで、影の濃さも風の抜けかたも自在に調整できるため、エアコンをつけずに済む時間が思いのほか長くなります。可動式の日よけは必要なときだけ広げ、風のある日は収納して開放感を味わえる柔軟さも魅力のひとつ。ブラインドを全閉にしても細いすき間から風が抜けるので、蒸し暑さがこもりにくい点もうれしいところです。

さらに遮熱ガラスを組み合わせると、赤外線の侵入を抑えながら可視光線を取り込めるので、日中の室内が暗くなりすぎません。外構と窓、両方のバランスを取ることで、エアコンだけに頼らない“パッシブな涼しさ”が実現します。

植物がもたらす天然のクーラー

木々やツル植物が生む木陰は、単に光を遮るだけではありません。葉から水分を蒸散させることで周囲の空気を冷やし、さらに風に揺れる葉音や香りで心までリフレッシュさせてくれます。南西の角に落葉樹を植えれば、厳しい西日をやわらげながら、冬の日差しは取り込めるという二重の恩恵が得られます。地植えが難しければ、大きめの鉢にシンボルツリーを仕立てればOK。

デッキの一角に置いたオリーブの鉢がそよぐだけで、空気が急にやわらかくなるのを感じます。グリーンカーテンとして人気のゴーヤやクレマチス、朝顔は、葉が薄く影が涼やかで、壁面温度の上昇を抑えながら彩りも添えてくれる優等生。葉の向こうに透ける光はレースカーテンのように柔らかで、昼下がりでもデッキで読書を続けられます。しかもゴーヤなら収穫の楽しみまでついてくるのがうれしいところ。

植栽に迷ったときは、展示場の建築士やインテリアコーディネーターに相談してみましょう。最近は外構・エクステリアまで含めたトータル提案を行うケースが多く、樹種選びから配置、将来のメンテナンス方法まで丁寧にアドバイスしてくれます。「この地域の夏の日差しに強い木は?」「ツル植物のネットはどこに張ると見た目がきれい?」といった具体的な質問にも、実際の施工事例を交えて説明してもらえるため、イメージが一気に具体的になります。

暮らしが変わる、穏やかな魔法

アウトドアリビングが整うと、休日の流れが静かに変化していきます。朝はデッキでやわらかな光を浴びながらストレッチ、昼は子どもが水遊びをしても室内が濡れず、大人は揺れる木漏れ日を眺めてコーヒーブレイク。夕方になるとデッキに置いたランタンに火を灯し、虫の声とともに簡単な夕食を楽しむ。遠出しなくても、季節の移ろいを肌で感じる瞬間が増えると、日常の満足度が驚くほど上がります。

さらに、外で熱を受け止める仕組みのおかげで、エアコン設定を強めにしなくても室内がしっかり涼しい日が増えます。電気代の請求書を見て「想像より低い」と気づいたとき、外側の仕掛けがいかに効いているかを実感します。浮いた分でデッキ用のラグやガーデンライトを買い足したり、家族でプチ贅沢スイーツを楽しんだりと暮らしに小さな循環が生まれるのも、アウトドアリビングの副産物です。

体感こそ最大のヒント

紙や画面の情報だけでは、ウッドデッキの温度差や木陰の涼しさを本当に理解するのは難しいもの。だからこそ、休日の散歩がてら住宅展示場を訪れ、モデルハウスのデッキに素足で立ってみる時間を作ってみてください。葉擦れの音、木漏れ日の揺らぎ、ブラインドが作る静かな影。五感で味わうひとときこそ、アウトドアリビングの豊かさを語ってくれます。

スタッフと話すときは「掃除はどのくらいの頻度?」「オーニングは強風のときどうする?」など生活者目線の質問を投げかけると、よりリアルな答えが返ってきます。最近の展示場は見学者のペースに合わせた距離感を大切にしてくれるので、“ちょっと見てみたいだけ”でも気後れせずに足を運べるはずです。

小さなリゾートは手の届くところに

真夏の強烈な日差しや焼けたアスファルトも、外で熱を止め、緑で涼やかな空気を育てれば、驚くほど穏やかなものになります。ウッドデッキの柔らかな踏み心地、外付けブラインドが生む影の深さ、風に揺れる葉の香り。これらはどれも少しの工夫でわが家に招けるものばかり。今年の夏が本格化する前に、そんな“小さなリゾート”を家にしつらえ、のんびりとした避暑時間を育ててみませんか。

まずは住宅展示場で木陰に身をゆだね、デッキのぬくもりを足裏で確かめるところから。紙の上にあったプランがいきいきと立体感を帯びた瞬間、アウトドアリビングのある暮らしが現実のものとして動きだします。燦々とした夏の日差しも、家の中と外をつなぐ涼やかな空気があればこそ味わい深くなる。そんな新しい季節の楽しみ方を、ぜひ体験してみてください。

この記事を書いた人

平井 祐佳里
平井 祐佳里 宅地建物取引士
大学在学中より不動産の道に進み、建売会社にて用地仕入れを担当。結婚・育児を経験した後にハウスメーカーの不動産課に勤務し家族を持つ人々のニーズを深く理解し、顧客に寄り添った不動産サービスを提供。本格的な宅地開発を学ぶため、宅地開発専門の不動産会社に従事後、地域に根付いた土地活用の提案をするため総合不動産会社にて現在勤務中。

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平井 祐佳里
平井 祐佳里 宅地建物取引士
大学在学中より不動産の道に進み、建売会社にて用地仕入れを担当。結婚・育児を経験した後にハウスメーカーの不動産課に勤務し家族を持つ人々のニーズを深く理解し、顧客に寄り添った不動産サービスを提供。本格的な宅地開発を学ぶため、宅地開発専門の不動産会社に従事後、地域に根付いた土地活用の提案をするため総合不動産会社にて現在勤務中。