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家づくり成功のカギは土地と建物のバランスにあり!予算配分の考え方

家づくり成功のカギは土地と建物のバランスにあり!予算配分の考え方

家づくりを始めようとしたとき、まず悩むのが「土地と建物、どちらにどれくらいお金をかけるべきか」という予算の配分です。

立地にこだわりすぎて建物に予算が回らなくなったり、理想の間取りを優先した結果、土地選びで妥協せざるを得なかったりという声も少なくありません。限られた予算の中でバランスを取ることは、多くの人にとって難しい課題です。

そこでこの記事では、新築住宅を計画中の方に向けて、土地と建物の予算配分の考え方や後悔しないためのポイントなどを解説します。家づくりに向けた資金計画に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

「土地付注文住宅」の全国平均費用は約4,903万円

住宅金融支援機構の調査によると、土地付き注文住宅の全国平均費用は約4,903万円です。このうち建物費用が約3,400万円、土地費用は約1,500万円とされています。


引用:住宅金融支援機構|P10、P20

こうした相場データを参考にすることで、予算配分の目安を明確にできます。

土地と建物、結局どちらにお金がかかる?

一般的には建物費用の方が高くなる傾向にあります。土地代はエリアによって大きく変動しますが、建物には構造、断熱性、設備仕様などに応じたコストがかかるため、総額の中で大きな割合を占めるケースが多いのが実情です。

家づくりでは、建物が予算配分の中心となることが一般的です。

予算配分をうまく決めるための3ステップ

土地と建物への予算配分は、家づくりの満足度に直結します。無理のないバランスを見つけるために、3つのステップに分けて考えることが大切です。

希望エリアの土地価格と法的条件を調べる

予算配分を考える際は、建築予定地の土地価格と法的な条件を把握することが重要です。エリアによって土地の価格は大きく異なり、建てられる建物の大きさや用途も制限されることがあります。

たとえば、都市計画区域内の「第一種低層住居専用地域」では、建ぺい率や建物の高さに厳しい制限が設けられており、大型住宅や店舗併用住宅は建てにくい傾向です。

土地価格だけで判断せず、「用途地域」や「建ぺい率・容積率」といった法的条件も含めて確認することで、建物にかけられる予算とのバランスが把握しやすくなります。

建物にかかる費用とオプション工事の費用を把握する

建物本体以外にも必要となる費用があるため、事前に全体像を把握しておくことが重要です。見積書に含まれていない項目が多く、後から思わぬ出費が発生するケースが少なくありません。

以下のような費用は、別途発生するのが一般的です。

  • 地盤改良費
  • 外構工事
  • 照明器具の設置
  • カーテン、カーテンレール
  • エアコンの設置費用

これらを見落として建築費を見積もると、土地に予算をかけすぎて建物に十分な資金を確保できない可能性があります。建築にかかる総額を把握することで、土地と建物それぞれに適切な予算を配分しやすくなるでしょう。

総予算から逆算して「譲れる点・譲れない点」を明確にする

理想の住まいを実現するには、総予算をもとに優先順位を整理しておくことが大切です。限られた予算の中ですべての希望を満たすのは難しく、何を重視し、どこで妥協するかを明らかにしておく必要があります。

たとえば、以下のような配分の考え方があります。

  • 駅からの近さを優先する場合は、土地に多めに予算を割り当てる
  • 建物の広さや設備を重視する場合は、郊外の土地を選んで建物に資金をかける

譲れない条件をあらかじめ明確にしておけば、配分に迷いが生じにくくなり、納得のいく家づくりにつながります。

土地と建物の予算配分で後悔しないために知っておくべきこと

土地と建物の予算配分では、判断を誤ると後悔につながることがあります。ここでは、よくある失敗例と、それを避けるために押さえておきたい考え方を解説します。

予算配分の失敗例|土地にかけすぎて建物に妥協したケース

土地に予算をかけすぎた結果、建物に十分な資金を確保できず、間取りや設備を大幅に妥協するケースがあります。とくに駅近や人気エリアでは土地価格が高騰しており、予算配分の見誤りによって本来望んでいた家づくりが実現できなくなることも少なくありません。

たとえば、土地に3,500万円かけたものの、建物は1,000万円台で収めざるを得ず、希望していた収納や断熱性能を削ることになったという事例もあります。

土地と建物のバランスを冷静に見極めることが、満足度の高い家づくりには不可欠です。

希望と現実のギャップを埋めるには「比較」と「相談」が重要

希望と現実のギャップを埋めるには、複数の選択肢を比較し、専門家に相談する姿勢が大切です。ひとつの土地や業者にこだわりすぎると、判断を誤りやすくなります。

たとえば、同じ予算でも立地や法規制の異なる複数の土地を比較することで、建物に使える金額を確保しやすくなります。また、建築士や住宅会社に相談すれば、希望を叶えるための工夫や代替案も得られるでしょう。

客観的な視点を取り入れることで、バランスのとれた配分を見つけやすくなります。

まとめ

後悔のない家づくりを実現するためには、自分たちの希望に合った「予算配分の軸」を持つことが重要です。土地と建物のどちらを優先するかは、家族の価値観やライフスタイルによって異なります。

住宅展示場で実際の建物を見たり、予算シミュレーションを行ったりすることで、具体的な判断材料が得られます。たとえば、「家事動線を重視したい」「2階に子ども部屋が必要」といった要望から必要な建物仕様を明確にすれば、土地に求める条件も自然と見えてきます。

冷静な判断と柔軟な調整を重ねることで、予算内でも納得のいく家づくりが可能になります。

この記事を書いた人

岩井 佑樹
岩井 佑樹 宅地建物取引士・シニアライフ相談士
飲料メーカーを経て2014年に宅建士として不動産会社に転職。2019年に不動産ライター業を始める。2024年3月現在、不動産会社のコラムや不動産関連記事を400記事以上作成。現在は不動産会社とWebライター業の会社を経営。現役不動産屋ならではの経験から、不動産に関する「リアル」な記事を発信している。

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岩井 佑樹
岩井 佑樹 宅地建物取引士・シニアライフ相談士
飲料メーカーを経て2014年に宅建士として不動産会社に転職。2019年に不動産ライター業を始める。2024年3月現在、不動産会社のコラムや不動産関連記事を400記事以上作成。現在は不動産会社とWebライター業の会社を経営。現役不動産屋ならではの経験から、不動産に関する「リアル」な記事を発信している。