本体の薄さをはじめ機能が進化し続けるテレビ。最近は壁掛けタイプが増えてきたこともあり、リビングだけでなく寝室に壁掛けテレビの設置を検討するご家庭が増えています。
家の新築を機に置き型テレビから壁掛けテレビに変えたいけれど、本当に使い勝手がいいか不安という方のために、今回はテレビを壁掛けにするメリットとデメリット、考慮すべきポイントについて解説します。
テレビを壁掛けにするメリット
テレビを壁掛けにすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットをご紹介します。
スペースを広く取れる
置き型のテレビを使用する際はテレビ台が必要ですが、壁掛けテレビは不要です。収納部分は減りますが、部屋のスペース自体は有効に使えるため、全体が広く見えて開放的な印象を与えることができる点は大きなメリットでしょう。
しゃれた印象になる
テレビを壁掛けにすると、テレビ周りの配線は壁内に収める隠ぺい配線が基本となるため、テレビまわりがごちゃごちゃしません。壁面にテレビ画面だけが設置されているような見せ方ができるので、インテリアの美しさを損なわず洗練された雰囲気になるというメリットがあります。
テレビを設置した壁面に好きな色の壁紙を張る、お気に入りの絵画やオブジェを飾るなどの演出をすれば、よりしゃれた印象になるでしょう。
テレビまわりを掃除しやすい
テレビを壁掛けにすることで配線が床を這うことがなくなり、掃除がしやすくなります。ホコリやゴミがたまることもなく、掃除機や拭き掃除が簡単です。基本はテレビ画面を掃除するだけで済むため、家事の時短化にもつながりますね。
地震の時に倒れる心配がない
置き型テレビはテレビ台の上に置いているだけの場合が多く、万が一地震が来た時に簡単に倒れてしまいます。揺れの方向や強さによってはテレビごと飛ぶ可能性があり、非常に危険です。壁掛けにしたテレビは壁面にしっかり固定されているため、地震の際にテレビだけが倒れるリスクは少ないです。
特に小さな子どもや高齢者、ペットがいるご家庭では、怪我をする可能性を減らせるのは大きなメリットと言えるでしょう。
テレビを壁掛けにするデメリット
テレビを壁掛けにするとさまざまなメリットがありますが、デメリットも知っておく必要があります。テレビを壁掛けにするデメリットをご紹介します。
設置位置が固定される
新築時にテレビを壁掛けにする時は、テレビ本体の重量を壁面で支えられるよう補強しなければいけません。
さらに、配線やコンセントを画面後ろに隠れるようあらかじめ設計する必要があるため、設計段階で設置位置を決め、その位置で固定となります。入居後に位置を変更したくなった場合は、リフォーム工事として壁面を一部解体するなど比較的大掛かりな作業が必要です。
テレビを買い替える際に制限が出る
テレビは10年を超えると不具合が発生しやすくなり、買い替え時期を迎えます。壁面に設置した壁掛け金具をそのまま使いたいなら、その金具に対応したテレビを選ぶ必要があります。
もしサイズや取り付け方法が異なるテレビに買い替える場合は、壁掛け金具や配線孔を再設置するために追加工事が必要になることは少なくありません。
壁面に配線孔ができる
テレビを壁掛けにする時の配線は基本的に隠ぺい配線で、電源コンセントやDVDレコーダーなどの周辺機器と接続するために壁面に配線孔を開けます。
開けっ放しではなく、内部にホコリなどが入らないようプレートを設置しますが、後々テレビの設置位置を変える場合、そのままだとかなり目立ちます。
壁を一部解体し、下地を調整して壁紙を張り替える作業が必要です。
テレビを壁掛けにする際に考慮するポイント
テレビを壁掛けにするメリットとデメリット双方を把握した上で、壁掛けにすることを選ぶ場合は、より使い勝手がよくなるよう工夫したいポイントを押さえるのがおすすめです。
視聴する姿勢や高さとテレビの設置高さのバランス
テレビを壁掛けにする場合、設計段階で位置を決めるということを先ほどお伝えしました。テレビを見る時は椅子に座るのかソファに座るのか、寝室ならベッドに入った状態なのか、壁面の中心に設置するのか左右どちらかに寄せるのかなど、その空間全体の家具レイアウトを踏まえて決めることが大切です。
特に重要なのは設置高さです。高すぎると顔が上向きになり首や肩が凝りやすく、低すぎると画面の角度が視線と合わず見づらくなります。今のテレビの高さを参考にして、テレビ画面の中心がどれくらいの高さだと見やすいのか事前に検証しておきましょう。
最近は取付金具に可動式アームがついたタイプも増えています。アームを動かすことで高さや角度を微調整できるので、テレビに適した品番の商品を選んでください。
コンセントの位置
テレビを壁掛けにする際は、コンセントはテレビ背面に隠れる位置に設置します。周辺機器との接続も可能なマルチコンセントを使用することが多いですが、マルチコンセントは一般的なコンセントよりもサイズが大きいため、壁掛け金具と干渉しないよう設置位置を細かく決めましょう。
周辺機器の収納方法
ブルーレイレコーダーやゲーム機などの周辺機器を接続するなら、これらの本体の収納方法を決めておくことも重要です。テレビを壁掛けにした上でスリムなテレビ台を置いて収納する、フロートタイプ（床から浮かんでいるような状態で設置するタイプ）の収納ボックスを設置して並べるなど、テレビの設置位置を決める時に一緒に計画しておきましょう。
まとめ
テレビを壁掛けにすると、スペースの有効活用やインテリアの演出の幅広さ、掃除のしやすさなど多くのメリットがあります。一方で、設置位置が固定されたり、将来テレビを買い替える際に制約が出たりするデメリットもあるため、メリットとデメリット双方をよく検討して決めていくと失敗しにくいです。
新築時に計画するからこそ、テレビの壁掛け施工はスマートに仕上げられますので、設計段階でじっくり検討してみてくださいね。
