イベント・最新情報

擁壁がある土地を購入する際の3つの注意点!リスク回避方法も解説

擁壁がある土地を購入する際の3つの注意点!リスク回避方法も解説

高台や急斜面にある土地は、眺望やプライバシーの面で魅力的です。しかし、地盤が不安定な場合には擁壁が必要となります。

擁壁は、崩落を防ぎ安全性を確保するために欠かせないものですが、耐久性や境界に関する注意点を見落とすと、後々トラブルを招く恐れがあります。

そこで本記事では、擁壁付き土地のメリットとリスク回避のための重要ポイントについて解説します。安全で安心できる土地選びをしたい方は、ぜひ参考にしてください。

擁壁を作る理由とは?

擁壁が必要とされる理由は、主に安全性の確保と防災対策にあります。

高台や丘に建つ住宅では、地盤が雨水や建物の重みに耐えられず崩れるリスクがあるため、擁壁による補強が不可欠です。特に、建築基準法第19条により一定の基準を満たす擁壁が義務付けられており、この工事が行われることで土砂崩れや地盤のずれが防止できます。

建築基準法第19条4

建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければならない。

引用:e-GOV「建築基準法 第19条」

擁壁工事には、コンクリートやブロックなど耐久性の高い素材が使用され、家族の安全や土地建物などの資産を守る効果も期待できます。

擁壁は単なる壁ではなく、住宅地の安全を支える重要な役割を果たしています。

擁壁がある土地を購入する2つのメリット

擁壁がある土地には、特有のメリットがあります。この章では、具体的なメリットを2つ解説します。

プライバシーを確保しやすい

擁壁がある土地は、道路よりも高い位置にあることが多く、プライバシーを確保しやすい点が魅力です。高台の位置に家があることで、通行人や隣接する家からの視線を遮る効果が期待できます。

例えば、窓からの景色を楽しみながらも、周囲の視線を気にせず快適に過ごすことができるのです。さらに、プライバシーが確保されることで防犯面でもメリットが生まれます。

こうした特徴により、擁壁のある土地はプライバシーを重視する方にとって非常に適した選択肢となるでしょう。

水害や浸水など防災面で役立つ

擁壁があることで、水害や浸水リスクを軽減できる点も大きなメリットです。

擁壁が地盤を高く保つため、大雨や洪水による浸水の被害を受けにくくなります。特に、低地よりも水の流入が少なくなるため、台風や集中豪雨の多い地域では安心材料となるでしょう。

また、過去に浸水被害が頻発しているエリアでも、擁壁がしっかり設置されている土地であれば、住宅内に水が入り込むリスクを低減できます。

近年、集中豪雨や台風の影響による水害が頻繁に発生している状況です。防災対策が重要視される昨今、こうした機能を持つ擁壁付きの土地は、より安全な暮らしを望む方にとって有力な選択肢と言えます。

擁壁がある土地を購入する注意点とリスク回避法

擁壁付きの土地を購入する際には、耐用年数や境界の確認、安全基準への適合をしっかり確認することが大切です。この章では、具体的な注意点と回避方法を解説します。

擁壁の耐用年数を確認する

擁壁には20〜50年程度の耐用年数があり、年数を過ぎると劣化のリスクが高まります。適切な管理がされていない古い擁壁は、地盤が不安定になる原因となり得るため、事前に耐用年数を確認することが重要です。

例えば、古くから設置されている擁壁がある土地の場合、不動産会社や役所に問い合わせて建築時期を調べ、必要に応じて補修や再設置が必要かを確認しておきましょう。

事前にこうした調査を行うことで、購入後の維持管理に備えた適切な判断ができるようになります。

境界を明確にしておく

擁壁がある土地では隣地との境界が分かりにくいケースが多いため、購入前に確認しておくことが重要です。例えば、擁壁の下部(地中にある部分)が隣地との境界となっている場合、認識の違いからトラブルが生じることもあります。

特に、地中にある擁壁の一部が隣接地に越境している場合には、所有権の確認や取り扱いについて事前に調査しておくと安心です。土地家屋調査士に依頼して隣接者との立会いを行い、境界を確定してもらうことをおすすめします。

検査済証や安全基準の有無を確認する

擁壁が建築基準に適合しているか確認するためには、検査済証の有無を調べることが重要です。検査済証とは、建築基準法の基準を満たしていることを証明するもので、擁壁が安全性を確保していることを示す証拠となります。

検査済証が交付されている擁壁は一定の安全基準を満たしているため、安心して使用できます。万が一、検査済証がない場合は、不動産会社や役所に問い合わせて適合状況を確認しましょう。

あらかじめ確認を行うことで、購入後のリスクを低減し、安心して取引を進めることが可能です。

まとめ

擁壁付きの土地には、プライバシー確保や防災面でのメリットがある一方で、確認すべき注意点も多くあります。特に耐用年数や境界線の確認、検査済証の有無を把握することで、リスクを軽減し安心して暮らすことができます。

擁壁についてさらに詳しく知りたい場合や、具体的なアドバイスを求めるなら、住宅展示場を訪れると良いでしょう。専門の担当者が丁寧に説明してくれるため、より確実な購入判断に繋がります。

信頼できるハウスメーカーと一緒に、安全で快適な暮らしのための第一歩を踏み出しましょう。

この記事を書いた人

岩井 佑樹
岩井 佑樹 宅地建物取引士・シニアライフ相談士
飲料メーカーを経て2014年に宅建士として不動産会社に転職。2019年に不動産ライター業を始める。2024年3月現在、不動産会社のコラムや不動産関連記事を400記事以上作成。現在は不動産会社とWebライター業の会社を経営。現役不動産屋ならではの経験から、不動産に関する「リアル」な記事を発信している。

開催中のイベント

この記事を書いた人

岩井 佑樹
岩井 佑樹 宅地建物取引士・シニアライフ相談士
飲料メーカーを経て2014年に宅建士として不動産会社に転職。2019年に不動産ライター業を始める。2024年3月現在、不動産会社のコラムや不動産関連記事を400記事以上作成。現在は不動産会社とWebライター業の会社を経営。現役不動産屋ならではの経験から、不動産に関する「リアル」な記事を発信している。